天真正伝香取神道流は、室町時代中期(1336年~1573年)に下総国香取地方(現在の千葉県香取市)にて流祖である飯篠長威斎家直によって創始され、多くの日本の武道の源流とされています。当流には武術訓練、軍学兵法、哲学、人格形成など広範な教えが維持されております。
 
家直公は60歳のときに香取神社の境内にて、千日千夜の大願をかけ、斎戒沐浴、粉骨砕身の厳しい修行を積みました。その後彼は香取大神から兵法神書を授けられたと伝えられており、これが由来となって当流は天真正伝香取神道流と称され、今もその伝統が受け継がれております。
 
神武館道場での香取神道流の稽古は、林作一郎師範から林弥左衛門師範へと受け継がれ、その後、大竹利典師範(神武館道場創設者)へと引き継がれました。現在、稽古は大竹利典師範の長男である大竹信利師範の指南のもと、数名の師範代の協力を得て行われております。
 
香取神道流は、1960年に林弥左衛門師範、大竹利典師範の尽力により、千葉県教育庁教育振興部文化財課より千葉県無形文化財に指定されました。これにより香取神道流は日本武道で初めて無形文化財として指定された流儀となりました。神武館館長の大竹信利師範は、千葉県教育庁指定の正式な無形文化財保持者となっております。
 
このように神武館に伝わる香取神道流は、香取地方伝来の日本伝統武術として国内外にて広く稽古されております。